仕事

今までの日記は誰かの日記や、ジャンク堂とかで立ち読みした本のショートストーリーを一部自分なりにアレンジしてきましたが、転職が決まった自分へのお祝いに全編自分の妄想、一部マジバナで日記書いてみます。

現在、朝の8時。何時間かかるでしょうか。


ネガティブな面があります。
今が幸せなかたはご遠慮ください。
なにか、自分や、周りにイヤなことがあり、幸せ満開じゃないって人に読んでもらいたい。

イッテミヨッ[i:164]




『だから、こんなん着られへんってばっ!!
早く、帰れよっ!!』

モノレールの改札ででっかいキャリーバッグとスーツが入った黒い袋を持った息子っぽい20歳ぐらいの男の子が母親に大声をあげている。

母親が息子にユニクロの白い袋を無理矢理渡そうとしていたが、息子は母親を突き飛ばし、袋を投げ捨て、

『もう帰ってこおへんからなぁ!電話もかけてくんなよ!』

家路に向かおうとした夕陽がイヤミたらしく眩しい日の夕方。

改札を抜けようとした時に、親子が言い合いをしていた。

 


沖縄に引っ越して4ヶ年が経った。
大阪でも適当に働いてきたが、やっぱり沖縄ででも適当に働いている。

働いたのは4年の間で短期間のアルバイトもあわせると、何社になるやろ。

上司や同僚とうまくいかなければ辞め、前の晩に飲みすぎて朝起きられへんかったらそのまま無断欠勤、無断退職。ただただ面白くないから適当な嘘をついては辞めを繰り返してきた。

いまは、派遣の添乗員で働いてるが、今の時期は個人の旅行客ばかりのため、団体の募集型(バスに何組かと沖縄を案内する仕事)専門の俺は今年の6月からはほとんど仕事っぽいことをしていない。

幸い、派遣の給料が2ヶ月先なため、なんとか8月末に入った薄っぺらいお給料で毎晩飲み歩いている。


大阪を出る時は家族を連れ出し、あの頃俺の中で守口で一番美味しいだろうっていう焼き鳥屋萬領をごちそうし、

『沖縄に行ってきます。
沖縄で自分の宿をしたいねん!始めは何もわからんから、ホテルか、旅行会社に入って、勉強してから、お金を貯め、人脈を拡げて、30代のうちに宿をやりたいねん。
心配かけるやろうけど、親不孝もんやろけど、逐一電話するし、たまに帰ってもくるし、宿ができたら一番に招待するから、心配いらんからちょっとだけ応援して。』

そんな気持ちすっかり忘れちゃっている。電話も長く俺からしてないし、前に電話したのは確か親友の結婚式に帰るからスーツをクリーニングだしといて!何かお土産いるか?って電話したぐらいやから1年以上前かも。

でも、うちのおかんは逐一電話をかけてくる。最近の親父の病気のことや、誰かが結婚して家買って、子供が産まれたってよぉ。って話ばっかり。

ホンマに耳が痛くなる話をしてきて、あんたはまだかいなぁ。早く孫の顔を見てみたいなぁ。
贅沢は言わんから、普通の仕事をして、普通の家庭をもってくれたらいいだけやねんけどなぁ。

そんな話が1ヵ月に1回。親父が入院した頃は週に1回かけてきていた。

俺は、おかんとの電話を切るため、おかんに心配をかけないために、嘘八百並べて、電話を切る。

おかんの中では、今の俺は、旅行会社の営業マン。朝から夜中まで働いている。
部署のリーダーもしていて、うちなんちゅの彼女がいて、結婚前提に付き合っていて、お金が貯まったら結婚するつもり。

ってなっている。
朝から夜まで働いてるから電話に出られへんってことにしている。


でも実際は、半分ニート。彼女も長くいない。
転職しようとハローワークに行ったり、求人誌からいくつか面接には行くが、資格やスキルや経験がなく、英語がしゃべれない、もうすぐ34歳。

簡単に決まるはずがない。

自分の中のしょうもないプライドが邪魔をして、妥協すれば仕事はあるが、もうこの年でまた好きでもない、やりたくもない仕事に就き、やっぱり長続きせずに辞めたら次の働き先はもっとないであろう。
だから、自分のやりたいことを次はちゃんとやりたい。
でも、それなりの収入が欲しい。
わがまま三昧である。
完全にダメ男である。


また今日もハローワークに行き、これ!っていう求人もなく肩を落としながら、旭橋でおり、家路に向かおうとした夕陽がイヤミたらしく眩しい日の夕方。

改札を抜けようとした時に、親子が言い合いをしている。

『だから、こんなん着られへんってばっ!!
早く、帰れよっ!!』

モノレールの改札ででっかいキャリーバッグとスーツケースを持った息子っぽい20歳ぐらいの男の子が母親に大声をあげている。

母親が息子にユニクロの白い袋を無理矢理渡そうとしていたが、息子は母親を突き飛ばし、袋を投げ捨て、

『もう帰ってこおへんからなぁ!電話もかけてくんなよ!』


母親は泣きじゃくり、改札を抜けた息子に手を振りながら、

『頑張っておいでよぉ!
いつでも帰っておいでよぉ!』
帰宅途中のかりゆしを着た会社帰りが多いなか、母親の声は鳴り響いている。

息子はずっと手を振る母親の方を振り向くことはなく、空港行き側のエスカレーターに上がっていった。

母親が見えなくなった頃に、俺には見えていた。その息子は両手で頬を強くパンッパンッと2回叩き、『よしっ!頑張るぞ!』と、気合いを入れていたのを。

たぶん、息子は学校を卒業して、内地に就職が決まったのであろう。

きっとこいつは頑張るだろう。
親に心配かけないように頑張るだろう。


俺は、なにをしてんねんやろう。
大阪をでた時はこいつと同じような気持ちで出てきたはずやのに。


もっかいイチから頑張ってみよう。
おかんに、ちゃんと仕事が決まれば俺から電話してみよう。

俺も改札側から1階に降りるエレベーターのなか、、2回頬を強く叩いた。

 

End

 

 

 

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